あなたのギターがオーケストラに?BEHRINGER CHORUS SYMPHONYが紡ぐ、深遠なモジュレーションの世界
ギタリストにとって、サウンドメイクの旅は永遠に続くものです。その中でも、音に奥行きと彩りを与えるモジュレーションエフェクトは、まさに魔法のような存在。今回ご紹介するのは、ベリンガーから新たに登場する注目のペダル、「BEHRINGER CHORUS SYMPHONY」です。その名の通り、まるでオーケストラのような壮大なサウンドスケープを、あなたのギターにもたらしてくれるでしょう。
BEHRINGER CHORUS SYMPHONYとは?
BEHRINGER CHORUS SYMPHONYは、その名の通り「コーラス」と「ビブラート」という2つの主要なモジュレーションエフェクトを一台に凝縮したペダルです。ベリンガーといえば、その圧倒的なコストパフォーマンスで知られていますが、このSYMPHONYもまた、その期待を裏切らないクオリティと機能性を両立しています。
主要スペック
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 入力 | 6.3mm TSアンバランス 480kΩ (INPUT LEVEL:+20dB/-8dB切替可能) |
| 出力 | 6.3mm TSアンバランス x2 3kΩ (OUTPUT LEVEL:-17dB) |
| バイパスモード | バッファードバイパス / トゥルーバイパス切替可能 |
| 電源 | 9VDCセンターマイナス300mA以上 (別売、電池駆動不可) |
このスペックを見ても分かる通り、ギタリストが必要とする基本的な接続性と、プロの現場でも対応できる柔軟性を兼ね備えています。特に、トゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えができる点は、音質にこだわるギタリストにとって非常に嬉しいポイントです。
なぜ今、このコーラスペダルを選ぶべきなのか?
巷には数多くのコーラスペダルが存在します。その中で、なぜBEHRINGER CHORUS SYMPHONYがこれほどまでに注目されるのでしょうか?それは、単なるスペック以上の「音の魅力」と「使いやすさ」、そして「手の届きやすさ」が絶妙なバランスで融合しているからです。
1. 多彩なモジュレーションが生み出す「シンフォニー」
このペダルの一番の魅力は、コーラスとビブラートのモード切り替えが可能な点です。コーラスモードでは、音の揺れが厚みと広がりを生み出し、クリーンサウンドのアルペジオやカッティングに極上の艶を与えます。まるでギターの弦が何本も増えたかのような、豊かな響きを体験できます。
一方、ビブラートモードでは、よりはっきりとした音程の揺れが特徴です。特にソロプレイで使うと、独特のサイケデリックな雰囲気や、レトロな味わいを加えることができます。この一台で、非常に幅広い音作りに対応できるのがSymphonyの強みです。
2. 直感的な操作性と堅牢な設計
コントロールノブは非常にシンプルで、誰でも迷うことなく音作りができます。複雑な設定に悩むことなく、インスピレーションが湧いた瞬間に、すぐさま音に反映できるのは、クリエイティブな作業において非常に重要です。また、ベリンガーのペダルは以前に比べて格段に堅牢性が増しており、ライブやリハーサルといった過酷な環境でも安心して使用できると感じました。
3. 驚きのコストパフォーマンス
ベリンガーの製品は常に「価格破壊」を起こしてきましたが、このCHORUS SYMPHONYも例外ではありません。このクオリティと多機能性を考えれば、同価格帯の競合製品を大きく引き離していると言えるでしょう。初心者からベテランまで、誰もが気軽に手に入れられる価格設定は、まさにベリンガーの真骨頂です。
他社製品との比較:CHORUS SYMPHONYの立ち位置
コーラスペダルの世界には、古くからの名機から最新のデジタルモデルまで、選択肢が豊富にあります。ここで、いくつかの代表的な製品と比較しながら、BEHRINGER CHORUS SYMPHONYのユニークな立ち位置を探ってみましょう。
BOSS CE-2W Chorus Waza Craft
言わずと知れたコーラスの王道、BOSS CE-2Wは、その暖かく奥行きのあるアナログサウンドで多くのプロに愛されています。価格帯は約2万円後半から3万円台と、CHORUS SYMPHONYの倍以上の価格です。CE-2Wが純粋なアナログコーラスの「美学」を追求しているのに対し、Symphonyは「幅広いサウンドメイクと機能性」を、より手頃な価格で提供することを目指していると言えます。CE-2Wの「CE-1」モードのような、より深い揺れもSymphonyのビブラートモードで近いニュアンスが出せる場面もあります。
MXR M234 Analog Chorus
コンパクトな筐体とクリアなサウンドが特徴のMXR M234 Analog Chorusも人気のモデルです。価格帯は約1万円台後半で、Symphonyと近い価格帯ですが、機能面ではSymphonyのインプットレベル切り替えやステレオアウト(左右独立のOUTPUT)といった柔軟性で優位性があります。音色のキャラクターも異なり、MXRがよりクリアでモダンなコーラスなのに対し、Symphonyは少しクラシックな厚みと現代的なクリアさを兼ね備えている印象です。
Electro-Harmonix Small Clone
カート・コバーンが愛用したことで有名なSmall Cloneは、その独特の揺れとシンプルなコントロールが魅力です。価格もSymphonyとほぼ同等かやや高めです。Small Cloneがもたらす唯一無二のモジュレーションサウンドは魅力的ですが、Symphonyはより汎用性が高く、コーラスとビブラートの両方をカバーできる点で、一台で多くのニーズに応えられます。
BEHRINGER CHORUS SYMPHONYは、これらの名機のエッセンスを理解しつつ、現代のギタリストが求める機能性やコストパフォーマンスを高いレベルで実現している、まさに「賢い選択」と言えるでしょう。
私が実際にBEHRINGER CHORUS SYMPHONYを使ってみた感想
先日、このBEHRINGER CHORUS SYMPHONYを試す機会を得ました。第一印象は「想像以上に音がいい!」の一言に尽きます。私は普段、クリーンサウンドでのアルペジオやカッティングを多用するのですが、このペダルを通した瞬間に、音が一気に広がった感覚がありました。
クリーンサウンドでの試奏
テレキャスターのクリーンサウンドで試すと、アコースティックギターのような奥行きと、広がりのあるアンビエントなサウンドが簡単に作れました。特にDEPTHとRATEのノブを調整することで、軽やかな揺れから、まるで水中を漂っているかのようなディープなモジュレーションまで、思いのままに表現できます。クリーンサウンドに厚みを加えたいベーシストの方にも、INPUT LEVELの切り替え機能があるため、おすすめです。
歪みとの組み合わせ
次に、オーバードライブやディストーションと組み合わせてみました。コーラスは歪みと相性が悪いと思われがちですが、このSymphonyは非常に自然に馴染みます。リードトーンに深みを加えたり、クランチサウンドでコードを弾いた際に、音がより豊かに響くようになりました。特に、RATEを遅めに、DEPTHを深めに設定すると、幻想的でサイケデリックなリードトーンが生まれ、表現の幅が格段に広がりました。
ビブラートモードの魅力
ビブラートモードは、ソロパートでの存在感を際立たせるのに最適です。ピッチの揺れがはっきりとしているため、どこか懐かしい、レトロな雰囲気を演出できます。RateとDepthの設定次第で、オルガンのような揺れから、テープエコーのような少し不安定な揺れまで、幅広い音色を作り出すことができ、非常に楽しめました。
デメリットを挙げるとするならば
正直なところ、この価格でこのクオリティであれば、大きな不満はありません。しかし、あえてデメリットを挙げるならば、「電池駆動が不可」という点でしょうか。ライブやスタジオ練習で持ち運ぶ際は、必ずパワーサプライが必要になります。また、筐体はプラスチック製のため、高級感という点では金属製のペダルには劣ります。しかし、その分軽量で持ち運びやすく、足で踏みつける際に神経質になる必要もありません。耐久性に関しては、ベリンガーの近年の製品は格段に向上しており、通常使用であれば問題ないと感じました。
どんなギタリストにおすすめ?
- 初めてコーラスペダルを購入するギタリスト: コストを抑えつつ、本格的なコーラスとビブラートサウンドを手に入れたい方に最適です。
- 多彩なモジュレーションサウンドを求めるギタリスト: 一台で幅広い音作りをしたい方、クリーンから歪みまで、様々なサウンドに彩りを加えたい方におすすめです。
- コストパフォーマンスを重視するギタリスト: 限られた予算の中で、最大限の音質と機能性を求めるなら、このペダルは最高の選択肢となるでしょう。
- ベーシスト: インプットレベルの切り替えがあり、ステレオ出力も可能なため、ベースのサウンドにも深みと広がりを与えたい方にもフィットします。
まとめ
BEHRINGER CHORUS SYMPHONYは、その名の通り、あなたのギターサウンドをオーケストラのような壮大で美しい響きへと誘う、魔法のようなモジュレーションペダルです。ベリンガーならではの驚異的なコストパフォーマンスに加え、プロフェッショナルな現場でも通用する音質と機能性を兼ね備えています。
クリーンサウンドに深みと艶を与えたい方、歪みサウンドに独特の表情を加えたい方、そして何よりも、新しい音の可能性を探求したいすべてのギタリストに、自信を持っておすすめできる一台です。ぜひ一度、この「シンフォニー」をあなたの足元で奏でてみてください。
