KORG コルグ/volca modularでシンセ沼へようこそ!入門なのに無限大、あなたのアナログ音作りの常識を覆す

KORG volca modularで音作りの常識が変わる!コンパクトな身体に宿る無限のアナログシンセ沼へようこそ

「モジュラーシンセって、なんだか難しそう…」 「高価だし、置き場所もないし、私には縁がない世界」

そう思っているあなたにこそ、ぜひ知ってほしい一台があります。それが、KORGから登場したコンパクトなセミ・モジュラー・アナログ・シンセサイザー、「volca modular」です。

私はこれまで様々なシンセサイザーを使ってきましたが、このvolca modularと出会って、音作りの概念がガラリと変わりました。手のひらサイズの筐体に秘められた、計り知れない音の可能性。そして、この「ACアダプターセット」なら、電池切れの心配なく心ゆくまで音作りに没頭できます。

モジュラーシンセの「沼」への第一歩を、この小さな巨人から始めてみませんか?

KORG volca modularってどんなシンセ?

volca modularは、一言で言えば「ウェストコースト・スタイル」のアナログセミ・モジュラーシンセサイザーです。

セミ・モジュラー」というのは、パッチング(ケーブルを抜き差しして回路をつなぎ変えること)をしなくてもある程度音が出る状態になっていて、さらにケーブルを接続することで、音の経路を自由に組み替えられる構造のこと。つまり、初心者でもとっつきやすく、奥深く探求することもできるという、いいとこ取りなんです。

そして、「ウェストコースト・スタイル」は、Moogなどに代表される「イーストコースト・スタイル」(減算合成)とは異なり、主に波形を複雑にしたり、変調を駆使したりして音を作り上げていく手法を指します。予測不能な、有機的な音が生まれやすいのが特徴です。

実際に手にしたときの第一印象は「ちっちゃいのに、すごいオーラがある!」でした。パッチポイントがずらりと並んだ姿は、まるで秘密基地の計器盤のよう。付属のパッチケーブルも小さくて可愛らしいですが、これ一本一本が音作りの可能性を広げる鍵なんです。

実際に使ってみて感じたこと:メリットとデメリット

数週間volca modularと向き合ってみて、私が感じたメリットとデメリットを率直にお伝えします。

メリット

  • 手軽な価格とサイズ感: モジュラーシンセの世界に足を踏み入れるには、通常、数十万円~数百万円の投資が必要になることも。しかし、volca modularは2万円台という驚きの価格で、しかも手のひらサイズ。気軽にモジュラーシンセの楽しさを体験できます。
  • 直感的なパッチング: 複雑な知識がなくても、ケーブルを差し替えるだけで音がガラリと変わる楽しさは格別です。付属のマニュアルにはパッチ例も載っているので、そこから始めるのもおすすめです。
  • 独特のウェストコースト・サウンド: 他のシンセではなかなか出せない、空間的な広がりやグリッチ感、有機的なドローンサウンドなど、耳慣れない音色が次々と生まれます。これは、既存の楽曲に新しいアイデアをもたらす強力なツールになります。
  • 電池駆動+ACアダプターセット: 単3電池6本で駆動するため、場所を選ばずに音作りができます。カフェで、公園で、気分転換に音をいじりたい時にも便利。そして、このセットにはACアダプターが付属しているので、バッテリー残量を気にせず、じっくりと音作りに没頭できるのが嬉しいポイントです。

デメリット

  • パッチングケーブルの紛失: 付属のパッチケーブルは非常に小さく、なくしやすいです。私はすでに一本どこかへ行ってしまいました…。予備の購入を検討した方が良いかもしれません。
  • 音色の保存ができない: パッチングした音色を本体に保存する機能はありません。電源を切ると、その時のパッチングは失われてしまいます。これはモジュラーシンセの宿命でもありますが、「同じ音を再現したい!」という時には少し不便に感じるかもしれません。(毎回一期一会の音に出会う、とポジティブに捉えることもできますが!)。
  • 特定の音作りに特化: ドラムのキックやベース、メロディを奏でるリードシンセなど、一般的な楽曲制作で即戦力となる音を出すのは、少し苦手かもしれません。むしろ、環境音、ドローン、グリッチ、SFXといった実験的なサウンドメイキングが得意です。
  • 視認性の低いパラメーター: 小さなノブが多く、視認性が高いとは言えません。特に暗い場所では、どのパラメーターをいじっているのか混乱することもあります。

競合製品との比較:volca modularはどこが違う?

モジュラーシンセやコンパクトシンセは様々なメーカーから出ていますが、volca modularはどんな立ち位置なのでしょうか?

特徴 \ 機種 KORG volca modular KORG minilogue / monologue Behringer Neutron / Crave Moog Mother-32 / DFAM
価格帯 2万円台 5~7万円台 3~5万円台 10万円以上
スタイル ウェストコースト・セミモジュラー 鍵盤付き・プリセットあり イーストコースト・セミモジュラー イーストコースト・セミモジュラー
特徴 コンパクト、手軽にモジュラー体験、実験的サウンド、電池駆動 鍵盤付き、ポリフォニック/モノフォニック、プリセット豊富、楽曲制作向け フルサイズEurorack互換、本格的な音作り、ユーロラック拡張性 Moogサウンド、高品質、本格的モジュラーシンセの入門機

見ての通り、volca modularは圧倒的なコストパフォーマンスとコンパクトさで、モジュラーシンセの世界への扉を開いてくれます。

例えば、KORGの他のvolcaシリーズ、例えば「volca bass」や「volca keys」が特定の楽器の音作りに特化しているのに対し、volca modularは「音そのもの」を探求する喜びを与えてくれます。また、本格的なセミモジュラーシンセであるBehringer社の「Neutron」やMoog社の「Mother-32」などと比較すると、拡張性や音の太さでは譲るかもしれませんが、その手軽さと独特のサウンドは、唯一無二の魅力です。

「まずはモジュラーシンセの面白さに触れてみたい」という方には、まさに最適な選択と言えるでしょう。

私のアナログ音作り体験談:volca modularが変えたもの

初めてvolca modularの電源を入れて、付属のパッチ例を試したときのことは忘れられません。ケーブルを一本差し替えるだけで、音が全く別の生命を宿したかのように変化するんです。まるで、目の前で小さな科学実験が行われているような感覚でした。

私は普段、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)での楽曲制作が中心で、デジタルシンセを多用していました。しかし、volca modularに触れてからは、音に対するアプローチが大きく変わりました。

ある日、何気なくパッチングをしていたら、まるで深海の生物が発するような、予想もしない有機的なドローンサウンドが生まれました。その音を録音し、DAWに持ち込んで他の楽器と組み合わせたところ、それまでになかった奥行きとユニークさが楽曲に加わったのです。

また、単に音を出すだけでなく、「このパッチポイントにケーブルを挿したらどうなるんだろう?」「このノブを回すと、他にどんな変化が生まれる?」と、純粋な好奇心から音を追求する楽しさを思い出させてくれました。それは、まるで子供の頃に砂場で遊ぶような、自由で創造的な時間です。時には瞑想のように、ただひたすら音の変化に耳を傾けることもあります。

volca modularは、私にとって単なる楽器ではありません。それは、音の「遊び場」であり、「発見」の連続を与えてくれる魔法の箱なのです。

まとめ:あなたのクリエイティビティを解き放つ一本

KORG volca modularは、

  • モジュラーシンセに興味はあるけど、何から手を出せばいいか分からない方
  • 既存のシンセに飽きて、新しい音作りを追求したい方
  • コンパクトでユニークなアナログサウンドを求めている方

に、心からおすすめできる一台です。

もちろん、モジュラーシンセの沼は深く、volca modularはその入り口に過ぎないかもしれません。しかし、この小さな機体から得られるインスピレーションと、音作りの楽しさは計り知れません。

あなたもKORG volca modularで、音の常識を覆し、新たなクリエイティブな世界へ足を踏み入れてみませんか?