大人のピアノ弾きが待ち望んだ一冊!『ピアノソロ 大きくて見やすい楽譜 大人のための洋楽バラードBEST』レビュー
ピアノを趣味にしているけれど、最近どうも楽譜の文字が見づらくて、ついつい練習から遠ざかってしまう……。そんな悩みを抱えている大人のピアノ愛好家は、私だけではないはずです。
「もっと大きな音符で、あの名曲を弾けたらどんなに楽しいだろう?」
そんな願いを叶えてくれる一冊が、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングスから発売されました。その名も『ピアノソロ 大きくて見やすい楽譜 大人のための洋楽バラードBEST』。
今回は、実際にこの楽譜を手に取ってみて、本当に「見やすい」のか、そして「大人のための洋楽バラード」というコンセプトがどこまで私たちの心に響くのか、徹底的にレビューしていきたいと思います。
私がこの楽譜に感動した理由
1. 「大きくて見やすい」は伊達じゃない!
まず、何よりも驚いたのが、その名の通り音符が本当に大きいこと!
これまで使っていた一般的な楽譜と比べて、一目瞭然です。五線の間隔もゆったりとしていて、隣り合う音符が混み合って見えるというストレスが全くありません。特に、私のように老眼の兆候が出始めている者にとっては、まさに救世主。「うーん、これ何の音だっけ?」と目を細めることもなく、すんなりと楽譜に集中できます。
ページをめくるたびに、ストレスなく演奏に没頭できる感覚は、久々の体験でした。これで細かい音符を読み間違えて演奏が止まる、ということも格段に減るでしょう。
2. 大人の心をくすぐる珠玉の洋楽バラード選曲
「BEST」と銘打つだけあって、収録されている楽曲はどれも一度は耳にしたことのある、洋楽バラードの名曲ばかりです。私が特に嬉しかったのは、世代を問わず愛されるような、永遠のスタンダードナンバーが多数含まれている点です。
例えば、往年の名バラードから、比較的新しいヒット曲まで、幅広い年代の洋楽バラードがバランス良く選ばれています。ピアノを弾くたびに「そうそう、この曲!」と、青春時代や思い出の情景が蘇ってくるような選曲に、思わず感傷に浸ってしまいました。弾くだけでなく、聴いているだけでも心が満たされるような、そんな素晴らしいラインナップです。
3. 大人向けのアレンジで弾きやすい
「バラード」と聞くと、高度なテクニックが必要なのでは、と身構えてしまう方もいるかもしれません。しかし、この楽譜は「大人のため」というだけあり、無理なく弾けるように工夫されたアレンジが施されています。
原曲の雰囲気を損なうことなく、しかし必要以上に難しくなりすぎないよう、絶妙なバランスで編曲されていると感じました。例えば、複雑なオクターブや速いパッセージが続く箇所は、無理のない範囲でシンプルにまとめられていることが多いです。これにより、普段忙しい大人でも、少しずつ練習を積み重ねることで、一曲を弾き切る達成感を味わえるように設計されているのでしょう。
メリット・デメリットを正直に評価
メリット
- 視認性が抜群に良い: 老眼などで楽譜が見づらいと感じている人には最高の使い心地。
- 選曲が素晴らしい: 洋楽バラードの名曲が多数収録されており、弾いていて飽きません。
- 大人向けアレンジ: 無理なく弾ける難易度で、ピアノ再開組や趣味で楽しむ人に最適。
- 高品質な製本: 楽譜が開きやすく、ページのめくりもスムーズで、ストレスが少ないです。
デメリット
- 特定のジャンルに特化: 洋楽バラード以外のジャンルを弾きたい人には不向きです。
- アレンジの好み: 原曲にかなり忠実なアレンジを求める人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
競合製品との比較:ヤマハが提供する「見やすさ」の真髄
「大きな音符の楽譜」というカテゴリは、実は最近注目されており、いくつかの出版社から同様のコンセプトの楽譜がリリースされています。
例えば、ドレミ楽譜出版社の「大きな音符で弾きやすい ピアノソロ」シリーズや、リットーミュージックの「大きい字でスラスラ弾ける」シリーズなどが挙げられます。これらのシリーズも、確かに音符のサイズが大きめに設定されており、視認性の向上に貢献しています。
しかし、私が『ピアノソロ 大きくて見やすい楽譜 大人のための洋楽バラードBEST』を特におすすめする理由は、以下の点にあります。
- 選曲のテーマ性: ドレミやリットーミュージックの多くのシリーズは、J-POPやクラシック、アニメソングなど、非常に幅広いジャンルを網羅している傾向があります。それに対し、ヤマハのこの楽譜は「大人のための洋楽バラード」という明確なテーマに絞り込んでいる点が特徴です。これにより、洋楽バラードを集中して弾きたい、というニーズにピンポイントで応えてくれます。
- ヤマハミュージックの信頼性: 楽器メーカーであるヤマハが母体となっているヤマハミュージックエンタテイメントホールディングスから出版されているため、演奏者視点に立った丁寧な譜面作りがなされていると感じます。音符の配置、運指のヒント、ペダルの指示など、細部にわたる配慮が行き届いている印象です。
- 視覚的な配慮の徹底: 単に音符が大きいだけでなく、五線譜の太さ、音符の線の太さ、さらにはページ全体の余白の取り方まで、「見やすさ」を追求した総合的なデザインが施されていると感じます。他の楽譜では、音符は大きくても五線が細すぎたり、情報が詰め込まれすぎているために結局見づらい、と感じることも少なくありませんでした。しかし、この楽譜にはそうしたストレスがありません。
このように、この楽譜は単に「大きな音符」というだけでなく、「誰に、どんな曲を、どう弾いてほしいか」という明確な意図を持って作られている点で、他社の楽譜とは一線を画しています。
まとめ:ピアノを再び楽しむための最高のパートナー
『ピアノソロ 大きくて見やすい楽譜 大人のための洋楽バラードBEST』は、私のように「もう一度ピアノを本気で楽しみたい」「楽譜が見づらいストレスから解放されたい」と願う大人のピアノ愛好家にとって、まさに理想的な一冊です。
大きくて見やすい音符、心に響く洋楽バラードの選曲、そして弾きやすいアレンジ。これらが三位一体となって、あなたのピアノライフを豊かにしてくれることでしょう。
ぜひ、この楽譜を手に取って、あの頃の感動をもう一度、あなたの指先で奏でてみてください。
